◆南満州鐵道鰍フ鶴見埠頭用地購入の件

 昭和3年11月9日の調印で南満州鐵道鰍ェ扇町の用地を購入して日満貿易の拠点としておりましたが、帝国議会説明資料には以下の通り記載されております。(出展:不二出版/南満州鉄道株式会社 帝国議会説明資料・別冊)

1.埠頭計画ノ理由
従来内地諸港ニ於ケル輸出入貨物ノ運搬保管乃至船舶荷役ニ関シテハ設備上ノ他ニ不便ノ點尠カラス従テ比較的多クノ時間ト費用トヲ費シツツアル状態ニ在リ又會社トシテハ石炭ノ内地輸出上貯炭場ノ設備ニ欠クル所アリ為ニ不便ヲ感シ来レル関係モアリ之等ノ欠點ヲ改善スルコトハ畢竟日満貿易ノ発展助長ノ為ニシテ之カ為貨物ニ対スル海陸接続ニ要スル諸掛ヲ低減セシメ以テ荷主及消費者ノ利益ヲ増進セシムルコトトナル而シテ日満貿易ノ上に大連及營口ノ優越點ヲ増加セシメ延テハ會社多年ノ社是タル北満対策上有効ナラシムルト同時ニ又鐵道省ノ日満間輸出入主要貨物ニ対する貨車配給方法ノ便利ニ資スルハ時勢ノ要求ニ適セルモノト謂ハザルヘカラス是本計画ノ起コレル所以ナリ

2.場所ノ選定
前記ノ理由ニ依リ内地二対シ埠頭計画ノ企テラルルニ至レルハ大正15ネン初春ノ頃ニ属ス
先ツ場所ハ東京横浜附近ノ地ヲ選フノ必要ナルヲ認メタルカ土地ノ選定上最考慮ヲ要スルハ(1)繋船ノ関係、(2)鐵道引込線ノ関係(3)経費ノ関係ナルコトヲ思ヒ三四ノ候補地ニ付考慮ヲ拂ヘリ
即チ(1)鶴見埋立地(2)東京芝浦(3)東京越中島(4)横浜第三期計画埠頭及子安海岸市計画埋立地等ニ付比較考量ノ結果選定シタルモノ即チ東京湾埋立會社ノ経営ニ係ル鶴見埋立地ナリトス
鶴見埋立地中ニテモ何レノ場所ヲ最適當有利トスルヤニ付テハ又各般ノ事情ヲ比較考究ノ結果前記ノ如キ繋船岸壁ノ築造、鐵道引込線ノ敷設、倉庫等ノ設備及経費ノ點ヨリ見テ最有利ナリト思惟セラルル地點ヲ選定シタルモノナリ

 上記記載の通り、当時の帝国政府も鶴見埋立地の利用価値を高く評価して、当時戦略的に最重要であったであろう日満貿易の関東の拠点を当地に確保したとのことです。