◆組織図


 当社の鐵道運行時にどのような組織構成となっていたか気になりますが、組織図というものは見当たらないようですが、昭和18年の職員録から推察すると下図のような構成であったものと推察されます。また川崎出張所については臨港バスの部署・役職者と併記された書類も残されておりますが、総務関係などはそれぞれ兼務していたようです。当時の職員録の中には時代を反映して「出征中」や「應徴中」の記載も散見されます。

 
これの関連するところを記すと「南方派遣要員関係」というファイルがあります。
これは昭和18年4月12日付東京湾埋立鰍ゥらの「南方燃料関係指導者格派遣に付陸軍より人選斡旋方依頼の件」として、「陸軍整備局燃料課ヨリ三井・三菱・浅野関係ニテ南方燃料関係ニ派遣スル人員ノ内指導者格ノ者○○名ヲ至急詮衡方斡旋依頼相受ケ・・・本件ニ関スル給与、資格其他詳細ニ関シテハ左記ノ通リ・・・
一、職種:採鉱製油機械、電気、応用化学、造船造機、冶金、土建、経理事務、一般事務
一、資格:大学、専門学校、実業学校、中等程度ノ学校卒業者ニシテ充分ナル経験ト技能ヲ有スルモノニシテ二十二、三ヨリ四十才代ノモノヲ希望
一、待遇:陸軍管制ニ準據シ軍属トシテ採用
1.給料手当:月額三五〇円以上ノ者ハ給料手当月額ノ十分ノ十三ヲ戦時増給トシテ現地ニテ支給シ内地家族ニ対シテハ給料手当月額ノ基本給を支給ス 
   ・・・
4.賞与 有
5.現地ニ於ケル住宅、食糧、被服ハ一切軍ニテ無償支給
一、期間:長短ニヶ年ノ見込ミ

結果、昭和18年8月2日付稟議書「南方行陸軍被徴用者ニ対する生命保険料並ニ傷害保険料負担ノ件」によれば、「当社ニツイテハ政府買収トイウ特殊ノ事情モ有リ希望者総数27名ノ多数ニ上リ申候 然ルニ軍部ニヨリ厳選ノ結果15名合格シ近日中ニ出発スルコトト相成候」とされ、徴用期間二年の生命保険料、傷害保険料は所属會社で負担することとされました。その文書の記載によれば、「当社現状にては保険料負担は甚だ苦痛とするところではあるが、現在の国際・国内情勢を鑑み海外進出を奨励する意味で右記保険料は当社にて負担するものと致したく」と苦しい事情が記されております。

上記記載の通り、相当有利な条件で要員の募集があり、当社については丁度政府買収になっていたこともあり、比較的多くの応募者があったようです。その後のこれらの徴用者がどのような運命を辿ったかは定かでありませんが、こうしたところでも戦時買収により翻弄された社員が少なからずいたということです。